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ボルボP1800は、1961年に登場したボルボ初の本格スポーツクーペであり、ブランドのイメージを一新するエポックメイキングなモデルです。これまで「安全・実用・堅牢」といった保守的なイメージの強かったボルボが、「美しさと走り」を前面に押し出したこの1台によって、“スタイルのある北欧車”として世界の注目を集めるようになりました。
エクステリアは、現在でも語り継がれるほど美しいプロポーションを誇ります。イタリア人デザイナー、ペレ・ペトレ(Pelle Petterson)によるデザインは、流麗なボディラインと絶妙な曲面で構成され、欧州スポーツカーとしての品格と個性を併せ持っています。ロングノーズ&ショートデッキの典型的なGTスタイルで、繊細かつクラシカルなディテールがそのまま名車の風格を感じさせます。
搭載されるエンジンは、ボルボ伝統の**直列4気筒OHVエンジン(B18/B20系)で、当初は1.8L(B18B)、のちに2.0L(B20B/E)へと進化。シングルキャブやツインキャブ、後期には電子燃料噴射(ボッシュDジェトロニック)を搭載するなど、時代の進化に対応しながら性能を向上させました。最高出力は時代や仕様によって異なりますが、100〜130馬力程度と控えめながらも、軽快でバランスの良い走りが魅力です。
駆動方式はFR(後輪駆動)で、4速または4速+オーバードライブ付きMTが主流。スポーツカーとしては安定志向のセッティングで、高速道路を長時間巡航するGT(グランドツアラー)としての性格が色濃く出ています。過激な速さではなく、「操る楽しさと美しさを味わう」ためのクルマです。
インテリアは、当時の北欧家具のようなシンプルで温かみのあるデザイン。メッキリングで縁取られたメーター、薄型のウッドパネル、コンパクトなステアリングなど、スポーティかつエレガントな雰囲気が特徴です。2+2の座席構成でリアは実用的とはいえないものの、ラゲッジスペースは意外に広く、週末の小旅行にも適しています。
ボルボP1800の知名度を一気に高めたのが、1960年代の英国テレビドラマ『セイント/The Saint』において、主人公サイモン・テンプラー(演:ロジャー・ムーア)が愛車として使用したことです。その美しいスタイルとジェントルな雰囲気が、多くの人々の憧れとなりました。
また、P1800はギネス記録でも有名です。米国のオーナー、アーウィン・ゴードン氏の手によって走行距離300万マイル(約480万km)を突破し、単一車両での最多走行距離としてギネス世界記録に認定されました。これは、P1800の機械的な信頼性とボルボ車の耐久性を象徴するエピソードです。